機能性アモルファス物質に潜む原子配列の秩序の探求

原子配列に秩序を持たないアモルファス物質は次世代の機能性材料として注目を集めており、例えば、自動車用2次電池の電極材料、固体電解質としての応用が期待されています。また、すでに変圧器、磁気ヘッド、太陽電池、DVD記録層などに応用されています。材料の機能を理解するためには構造解析・抽出が不可欠ですが、一見秩序のない構造を持つアモルファス材料の場合は周期性を有する結晶材料とは異なり大変困難です。本研究室では、電子線イメージング等の先端ナノ計測、分子動力学法・逆モンテカルロ法等の計算機シミュレーション、および計算ホモロジー解析・ボロノイ多面体解析等の数理解析を組み合わせることにより、アモルファス構造に潜む秩序を明かにします。さらに、得られた情報をもとに機能性発現メカニズムの解明を目指します。これまでに行った具体的な事例として、アモルファス金属における幾何学フラストレーションの解析や不均一アモルファス酸化物の複雑に入り組んだナノ構造のモデリングなどが挙げられます。